日本指圧師会の歴史

日本指圧師会は、1955年、東京都療術師組合より指圧法制化に伴い誕生した学術団体。

当時のあん摩、マッサージ以外の手技療法(整体・療術など)は、法律で業を禁止される事になり、医業を目的とした手技療法を「指圧」と総合し、法制化に向けて当時の厚生省の下、組織されました。

 

以降60年間、指圧の時代の変化に合わせ、会運営も様々に変化しつつも、設立当初からの基本理念である「医業を目的とした指圧・整体の臨床研究の研修会」を、流派を問わず欠かさず行なっている。(現在、東京都北区王子 北とぴあにて隔月の第三木曜日に開催)

 

今日、養成学校で用いられている、指圧教本の元となる指圧法基本型は、初代日本指圧師会会長中村学文医博と7名の日本指圧師会理事によって定められた。

指圧はこれから

 

『昨年の法律161号で諸君が公然と「指圧」を標榜し得るに至ったからには、今度は業者は一致団結して「指圧」の理論と術按を整備して業務の充実を計らなければならぬ時期となったのである。この意味で「日本指圧師会」が益々健全に発展される事を心から祈るものである。』


(指圧月報 第一号 昭和32年1月 「日本指圧師会の指圧史 高木剛太 編著」より)

 

 

日本指圧師会が60周年を迎える今日、当初の理念に立ち返り、流派を問わず、日本の総合手技療法「指圧」を基本に臨床研究を行っている。 

 

 

未だに指圧は「按摩」「マッサージ」との差異が一般的どころか我々あマ指師にすら区別されていません。国家資格であるのに放置され続けてきました。 日本指圧師会は60周年を迎える事が出来ました。60年と云えば人間ならば還暦とし、赤子に戻るとの意味を持ちます。この事から我々日本指圧師会は、この大きな節目を指圧の原点に光を当て焦点を絞り、一里塚を築けないか活動を始めます。

 

 

物事を説明する際に「諸説あります」と注意書きをされて事があります。しかし指圧の場合は諸説あるどころか、法制化の際に定められた定義を指圧師自らで曖昧模糊なものにしてしまいました。結果今日の様に、指圧の定義も指圧の生い立ちもありながら個々の流派、個々の指圧師の「適当な発言の諸説」となってしまっている訳です。

 

 

*以前に掲載していた指圧の年表は新たな歴史を加筆して再掲載の予定でしたが、一部で歪曲した誤用が日本指圧師会表記で無断転載されてしまった為、内容、紹介方法を改めて考えてから仕切り直す事にしました。ご了承下さい。

指圧の歴史を考える

 

 

【指圧の定義】

 

「指圧は古法あん摩、導引、柔術の活法に整体療法を合わせ、圧を主体とした独特の施術である」

 

「指圧はあん摩、導引、(柔術の)活法、を総合した経験療法として、江戸時代には民間で行われて来たが、明治時代に入り、これらの手技操作を共通するアメリカの整体術、カイロプラクティック(Chiropractic)、オステオパシー(Osteopathy)、スポンディロセラピー(Spondyrotherapy)などの療術が輸入されるにおよび、この施術を導引に取り入れ、改良して独自の手技療法として体系化し、大正時代 に指圧法として統合され、昭和30年8月にあん摩(マッサージ、指圧を含む)として法律で認められ、次いで昭和39年6月に名称が改正され、あん摩、マッサージ、指圧師として現在に至っている。」――― あん摩マッサージ指圧理論より

 

 

未だに指圧は「按摩」「マッサージ」との差異が一般的どころか我々あマ指師にすら区別されていません。国家資格であるのに放置され続けてきました。

 

日本指圧師会は60周年を迎える事が出来ました。60年と云えば人間ならば還暦とし、赤子に戻るとの意味を持ちます。この事から我々日本指圧師会は、この大きな節目を指圧の原点に光を当て焦点を絞り、一里塚を築けないか活動を始めます。

 

物事を説明する際に「諸説あります」と注意書きをされて事があります。しかし指圧の場合は諸説あるどころか、法制化の際に定められた明確な定義があります。しかし我々指圧師自らで曖昧模糊なものにしてしまいました。

 

結果、今日の様に、指圧の定義も指圧の生い立ちもありながら、個々の流派、個々の指圧師の「適当な発言の諸説」となってしまっている訳です。

 

正に「曲がりなりにも」国家資格である指圧が、現状のままで良いはずはなく、恐らく担当省庁である厚生労働省の指圧に対する認識も大きく誤っている可能性があります。
我々、日本指圧師会は任意団体ではありますが指圧の正しい歴史を編さんする活動をこの数年、注力してきました。


もし正しい指圧の歴史に興味がある指圧師の方は、是非とも日本指圧師会に参加され共に指圧の歴史を考えていきませんか?

 

*以前に掲載していた指圧の年表は新たな歴史を加筆して再掲載の予定でしたが、一部で歪曲した誤用が日本指圧師会表記で無断転載されてしまった為、内容、紹介方法を改めて考えてから仕切り直す事にしました。ご了承下さい。

「日本指圧師会の指圧史」 販売中

 

指圧に対する認識、指圧への親しみ、それらが極端に低下してしまっているが、現状であると思うのです。

 

『指圧?良く分からないけどマッサージとか接骨院には行く事がありますね』

これが現状であると感じます。 さて、これは何故なんだろう?

何が原因でこの様な社会的認知度なのだろう?

考えてみると私達、指圧師、治療師の側に根本的な原因があるのです。

 

 

『指圧の基本定義とは?』『指圧は誰が作った?』『指圧の近代史』 これが無いのです。

指圧師で、これらに答えられる人間が極端に少ない。 指圧師に共通認識もなく、酷く言えば共通手技すら曖昧。

指圧師業界内の存在意義が、これ程にアヤフヤですから、もちろん世間一般に指圧の認知度も広まり、高まる事は無いはずです。

 

 

指圧師として、日本指圧師会として、このまま何もせずには居られません。 日本指圧師会の所蔵する、『指圧定義作成』、『指圧法法制化』の際が詳細に記録された未公開会報。 この60年前の日本指圧師会会報を、指圧近代史の貴重な資料として、再テキスト化し収録。 口伝でも、噂でもない、『本当の指圧の近代史』を、日本指圧師会と言う学究団体を通して知る事が出来ます。あわせて、平易な指圧と整体の解説と考察を後半に載せてある為、新人指圧師にも指圧に対する広い考察の手助けになると思います。指圧、療術、整体(カイロやオスティオパシーなどを含む)におけるそれぞれの差異、そもそも『あん摩・マッサージ・指圧』とは、どの様な経緯で国家資格とされたのか。 これらを考えるに外す事の出来ない貴重な資料集となっています。

 

 

日本指圧師会/高木剛太